設計者上がりの建築コンサルタントブログ

建築コンサルタント、プロジェクトマネージャー、コンストラクションマネージャーの視点

50歳を過ぎてからの転職活動の記録①

肌身で感じる現在の転職市場

私は、今現在は転職する気は無いものの、マインドセットとして会社の飼い犬に成り下がらない様に、自分の商品価値を常にチェックするためのツールとして転職サービスサイトに登録しています。
そのサイトから届くオファーのメール等の内容を見ていると、現在は人手不足から50代以上でも求人が有るという事を実感しています。私が2度目の転職活動をしたときは年齢だけでハネられる事案も多かったですが、あれから数年で転職市場の情勢が変わって来ている様に思います。

 

私は過去に2回転職を経験していますが、その2回ともに自分にとってはスキルアップや収入増に繋がって良かったと思っています。

 

転職その1(1990年)

一回目は25歳の時で大学卒業後に就職したアトリエ系の設計事務所で丸2年働いてから辞めました。
その会社は低賃金、やり甲斐搾取系のブラック企業そのもので、実家暮らしでない身には生活するのも大変だったので、振り返っても早めに辞めておいて本当に良かったと思います。その当時はまだ転職が今ほどは一般化していなかったこともあり、「石の上にも三年」とか言って、3年くらい勤めてみなければ仕事の事なんてわかりはしないという風潮がありましたので、2年で辞めた事への周囲の風当たりは多少感じたものです。
その会社を辞めた時は次の行き先を決めていなかったので、プータローになったわけですが、すぐに近所の不動産屋にアルバイトとしてもぐりこんだので無収入状態は避けられました。
その時は、いざ転職活動を始めようとしたものの、どうやって行ったら良いかもわからず、その時代に出版されていた男性用転職雑誌を全て購入して履歴書の書き方や応募の仕方等を学習し、掲載されていた求人企業に応募したわけです。当時は「DODA」と「B-ing(現在は廃刊)」の2種類しか出版されていなかった様に記憶しています。

hrog.net

その時代はバブルが弾けた直後ではありましたが建設業界の求人は割りと豊富にあったように記憶しています。
まだまだ当時は転職する人は少なかったでしょうし、転職市場は成熟しておらず、2年程で会社を辞めた若造ではありましたが、応募した組織系設計事務所に入社する事ができました。
当時の私と言えば実務経験は乏しく、PR出来るような実績はほとんど無かったために大学の卒業前に製作した卒業設計の作品を持参してプレゼンしたという裏技でした。
やはり年齢が若いというのは求人側からすると価値があったという事なのでしょう。

 

転職その2(2015年)

2回目は50歳過ぎてからの転職活動だったために、活動開始から就職までは約一年かかりました。

(転職活動の流れ)※在社したままでの転職活動です

①エグゼクティブ・スペシャリスト系の転職サイトに登録して自身のスキルや経歴等の情報を入力する。

②各種の人材紹介業の会社のヘッドハンターからメールで面談のオファーが入る。

③各社のヘッドハンターと面談して自己紹介、情報交換、意見交換を行う。

④各社のヘッドハンターの手持ち求人情報等から興味のある企業(求人している企業)に対して自分の情報を提供してもらいマッチングの確認をしてもらう。その段階で求人している企業から断られる場合もある。(私はこの段階で年齢を理由に断られた企業がいくつかある)求人している企業が興味を示した場合はヘッドハンターに直接面談の場をセッティングしてもらう。

⑤その求人している企業との直接面談に臨む。(ヘッドハンターは立ち会わず、自分だけで赴く)初回は人事担当者や求人している部門の責任者等との面談になる事が多い。企業によっては初回から社長と面談という事もある。(小規模な会社の場合)

⑥面談終了後の所見をヘッドハンターに連絡して、結果を待つ。

⑦ヘッドハンターから合否の連絡が来る。落ちた場合はその理由を告げられる。受かった場合は二次面談の段取り調整に入る。

⑧求人している企業との二次面接では役員レベルとの面談になる。

⑨面談終了後の所見をヘッドハンターに連絡して、結果を待つ。

⑩ヘッドハンターから合格の連絡が入る。条件面についてもヘッドハンターから知らされる。

そして転職のための具体的な手続きに入りました。

※⑤の担当者面談のレベルであっても、相手方はいつ頃から入社出来るのかを聞いてくる事が多かったです。相手企業にしてみれば人手がいち早く欲しいのであるから当然の事なわけです。ここで6か月以上も後の話となると相手企業の食い付きもイマイチな感じになる事を実感しました。そのために、その時点で所属している企業の辞め時・辞め方のスケジューリングを頭に置いて活動することが重要だと気づいたわけです。

面談時の課題】

・いつ入社出来そうかの見込みも立っていない人に相手企業は興味を示し難い。

・転職前に所属している会社を先に辞めてしまうと収入が途絶えるため、心に余裕を持って転職活動に臨む事ができず自分を安売りしてしまうリスクがある。必ず、転職できる見込みが付いてから辞める事が重要です。