設計者上がりの建築コンサルタントブログ

建築コンサルタント、プロジェクトマネージャー、コンストラクションマネージャーの視点

THEドラえもん展2017 @六本木ヒルズ森アーツセンターギャラリー

国内外で活躍する最先端の現代アートのアーティスト28組が「あなたのドラえもんをつくってください。」という要請のもとに表現した作品の美術展です。 日本の美術展にしては珍しく、作品を自由に撮影することができます。(一部の作品、映像作品等を除く)SNSで展覧会の様子をシェアすることが目的のようです。

六本木ヒルズ66プラザにもドラえもん展の巨大なポスター

開館は10:00〜ですが、20分くらい前にはチケットカウンターに行列が。 9:50くらいに入場開始となりました。

52階のギャラリー入口

入口を入ってすぐの場所の様子 ドラえもんに関するアイコンのワイヤーフレームと影絵

村上隆氏の作品「ぼくと弟とドラえもんとの夏休み」がお出迎え これは2002年開催のドラえもん展で出品された作品

「あんなこといいな 出来たらいいな」 これは小さなお子さんが見ても楽しいだろうと思える作品

Mr.氏(村上隆氏のお弟子さんだったお方)の作品 「重力ちょうせつ機」 これもアクティブで楽しげな作品

福田美蘭氏の作品 「レンブラント―パレットを持った自画像」 この作品はレンブラントの絵画の知識が背景にある、深い意味を持ったパロディ作品

「波上群仙図」仙人の絵とドラえもんの二重映像技法が斬新

蜷川実花氏の作品 「ドラちゃんと1日デートの巻2017」

こちらは2002年のドラえもん展でも出品された作品

Photoアルバム

今回の新規作品

InstagramにデートPhotoがアップされています。 いかにも現代的な表現の作品

鴻池明子氏の作品「しずかちゃんの洞窟」 牛革にクレヨンでドローイングされた、原始的生命力を感じさせる作品。
会田誠氏の作品 「キセイノセイキ〜空気〜」 人気キャラのシャワーシーンをコンセプチュアルな表現で描いた作品です。
山口晃氏の作品「ノー・アイテム・デー」 現代の浮世絵師的な方ですが、今回はなんだかほのぼのとする作品。
町田久美氏の作品「星霜」

渡邊希氏の作品

作品「タイムドラベル」 一見、真っ黒ですが、よく見るとドラえもんのいろんなシーンが描かれています。

森村泰昌氏とコイケジュンコ氏のコラボ作品

梅佳代氏の作品 「私の家のドラえもんの写真」

奈良美智氏の作品

「依然としてジャイアンにリボンをとられたままのドラミちゃん@真夜中」

右は2002年の作品「ジャイアンにリボンをとられたドラミちゃん」

この後からは映画のドラえもん作品からインスパイアされたアート作品ゾーンとなります。 ドラえもんの映画は観たことがないのですが、知っていたらより作品の背景の理解ができるはずでちょっと惜しい気分。

れなれな氏の作品 「静かな決意」 (ドラえもん のび太の新魔界大冒険 ~7人の魔法使い~ から)

福原愛氏の作品「To the Bright ~のび太の魔界大冒険~」 (ドラえもん のび太の魔界大冒険 から)

山口英紀氏と伊藤航氏のコラボ作品「ドラえもん ひみつ道具図典 ~タケコプター~」(ドラえもん のび太と雲の王国 から)

中里勇太氏の作品「選んだゆめときぼう」 (ドラえもん のび太の日本誕生 から)

坂本友由氏の作品「僕らはいつごろ大人になるんだろう」 (ドラえもん のび太の宇宙小戦争 より)

山本竜基氏の作品 「山本空間に突入するドラえもんたち」 (ドラえもん のび太の恐竜 から)

中塚翠涛氏の作品「光と影」 (ドラえもん 新・のび太の日本誕生 より)

併せて出品されていた作品 「楽えもん」

近藤智美氏の作品 「ときどきりくつにあわないことするのが人間なのよ」 (ドラえもん のび太と鉄人兵団 より)

増田セバスチャン氏の作品「最後のウエポン」 (ドラえもん のび太ドラビアンナイト より)

展示室を出るとSHOPとなっています。 ドラえもんグッズとして見ても、アート作品として見ても、魅力的なグッズがたくさんあり、相当量を買い込んでいる人も見受けられました。

SHOPを除いたギャラリーの滞在時間は1時間15分程度でした。 人が多かった事もあり、解説文は全て読んでいませんが、映像系作品は全て観た上での時間です。音声ガイドを借りて解説を聞いていると時間がかかるかもしれません。 会場内のほとんどの場所は写真撮影が可能なため、他の人が写真を撮る時に立ち位置に気を遣う場面がありました。

今回のテーマは「ドラえもん現代アートの競演」。2002年の展覧会ではデザイン、映像、写真作家が多く、現代美術作家はごく少数だったのに比べ、「今回は『美術』の濃度が高まった」と、この企画展監修の山下裕二氏は図録で語っています。この15年の間に、いわゆる現代美術が、大きく裾野を広げたという動向を反映しているからという事らしいです。

この企画展で初めて知ったアーティスト、作品のみ知っていたというアーティストなど、改めて調べてみたりして現代アートの動向について勉強になりました。

ドラえもんという親しみのある題材を媒体としたこの現代アート展は、いろんな人に現代アートを知ってもらい、興味を持ってもらうきっかけとしても、とても意義のあるものであると思いました。